干支と西暦の山に登る荏原山歩会だより 


04年10月24日  新潟県 海谷駒ヶ岳 1487.4m


同行者:野田M、大久保W、富山橋の3人


「この地図の作成にあたっては、国土地理院発行の数値地図25000(地図画像)、50mメッシュ(標高)を使用しました。」
国土地理院の成果の使用・複製に当っては、規定を守って下さい。 
ルート記入はカシミールで作成しています。

駒ヶ岳はあちこちに有るので、区別するために付けるのが、頚城か海谷ですが、私は今まで
頚城を使っていましたが、どうやら最近は海谷山塊が有名になり、海谷駒ヶ岳と呼ばれる事
が多い様なので、私も海谷に切り替える事にしました。
当然の事ですが、地元では単に「駒ヶ岳」としか呼ばれていないのは、殆どの駒ヶ岳と同様
です。

この山、有名な深田百名山の雨飾山と尾根続きに有り、糸魚川から白馬村に向かう時、雨飾
山を見上げると、その手前に絶壁の壁と樹林の平たい頂上台地を持ち、キノコ曇の様な山容
を見せています。
頂上台地のブナ林は原生で極相林といわれ「これ以上は変化しない原生林」となって、見事
なブナ林を見る事が出来ます。
そこから滲み出す清水は登山口・登山道途中・ブナ林内などに有り、その味の良さは知る人
ぞ知るというところです。

登山道は海谷渓谷側からの登山者の多いルート、絶壁を見ながら登る根知ルート、雨飾山縦
走ルートの3ルートが有りますが、いずれも標高の割には厳しい急登や危険個所が有り、ち
ょっぴり険しい登山をした気分にさせてくれます。又、頂上からの展望も、頚城や北アルプ
スの展望は特筆すべきものが有ります。

今回は町内山岳会「荏原山歩会」の定例山行でしたが、台風やら地震やら、はたまた選挙絡
み・別旅行等で、参加人員が少なくなり、3人の山行になってしまいました。
それならば、人数が少なければ遅れる人も出ないだろうと、天気も良いので、登山道は少々
厳しいが、展望の良い根知ルートにしてみました。

06:00頃 荏原公民館前発
登山口までの所要時間1:30余り、高速を利用すれば、この辺りの山は、富山県内の山へ
のアプローチとは大差はありません。
シーサイドバレースキー場を右に見て橋を渡り、右岸に沿って登って行くと、駒ヶ岳登山口
の標識が有り、林道に入って時々出る駒ヶ岳登山口の案内で登山口まで車で入ります。

7:20、駒ヶ岳登山口着
登山口には駐車スペース5−6台、簡易的ながら避難小屋・水場・トイレが有り、世話が良
く行き届いてます。

登山口近くにはマイクロバス1台、小屋には先着者1台で、更に我々を追う様に登って来た
車2台が有りました。えらい人気の山だと思っていたら、後の2人はHP仲間で名の知れた
妖怪大猫氏とCAN女史でした。
そう云えば金山から駒ヶ岳に1泊の予定で縦走の予定と云うメールを貰っていたのでしたが、
ここへ下山するとは思って居なかったので、顔見知りに出会ってびっくりでした。

登山口の小屋

7:45、出発 600m
最初は緩い傾斜で登り始めます。辺りは雑木林、紅葉には少し早いのか、台風で葉が落ちた
のか、色付きは悪い様でした。最近も台風が通過したので、紅葉はややあきらめ気分、今日
はブナ林でキノコでも有れば、ブナとキノコと展望でも楽しめたら充分と言う事でしょう。

キノコが有りました。野田さんも大久保さんも目が良いのか、あちこちで見付けます。ナメ
コの仲間ナメツムタケ・クリタケが多い様です。

8:15、駒清水 820m
先にも書きましたが、美味しい水場の一つで、こんこんと湧き出る清水は、暑い時期なら甘
露の味、山頂台地のブナ林からしみ込んだブナの雫が、ここに湧き出た美味しい清水です。

ブナの雫、駒清水

登山道の傾斜は次第に急になり始めます。しかし登山道は中盤に入ったばかり、2人はまだ
それほど応えている様子は有りません。私も何とか誤魔化していますが、踏み出す足の速度
は次第に遅くなって行くのでした。

海の見える切り開きが有りました。天気は良いのですが、海方向は少し霞んでおり、すっき
りとは行きませんが、糸魚川市街と海が見えていました。

海側の展望

8:35、最初展望台 900m
振り向けば北アルプス、薄く雪化粧した白馬岳から朝日岳が連なって見えていました。眼下
に広がるのは今年の春、雪上を歩いた大網峠方向でしょうか。
又、この先通過する絶壁をが見えています。絶壁には何本かの横溝が見えますが、登山道も
溝状の所を通過するはずです。
 
 

北アルプス展望 絶壁に登山道(多分上の鉢巻)

更に急登を登り続けます。水平で展望の良い所が有れば休憩と思うのですが、ほとんど水平
な場所が出ないまま登り続けました。

9:05、沢水に合う 1070m
ようやく休憩出来たのは沢水に出合った脇でした。こんなに急登を登って来て、尾根の様な
所に大量に流れる水は不思議な感じですが、これが頂上台地に広がるブナ林の威力と言うも
のでしょう。
ここでしばし休憩、野田さん、大久保さん2人の様子を伺い見ますが問題無し、残りの難所
も問題なく通過出来る事でしょう。

登山道はトラバースしながらもかなりの急登を登り続けます。

絶壁と2人

9:25、絶壁の下に出る 1140m
目の前に垂直の断崖絶壁が見えて来ました。その高さ100m近い所も有るのではないでし
ょうか。登山道はその絶壁の下をトラバースして付いていますが、絶壁は足元から下にも有
り、狭い所は人1人がやっと通れる程度、肝を冷やしながらの通過でした。

9:40、岩の割れ目を行く 1210m
下から見えていた割れ目では有りませんが、奥行き5−6m、長さ100m以上も有るでし
ょうか、洞門になった登山道を登ります。

洞門になった登山道

10:00、展望台 1260m
北アルプスと眼下の展望台です。僅かに霞んで来ましたが、鹿島槍から朝日岳の展望が見事
です。又、眼下の紅葉も見事、今が盛りでなないでしょうか。
振り返って頂上台地のブナ林を見ると、そこには細ブナながら、密生して林立するブナ林が、
金色に染まって見えていました。
 

もう一度、北アルプス展望 頂上台地下の細ブナ林

ブナ林に入ります。少し時期を過ぎた黄葉も有りますが、それがより黄金の色を濃くして、
綺麗な色に見せています。ブナは太いもので幹周2m程度でしょうか、頂上台地口では太い
ものは見
えません。

頂上台地にさしかかると、登山道脇のブナは細いものの、左下方向には3m級の大木が見え
ています。
ブナが大きくなると、辺りの倒木にお楽しみのナメコも見えて来ます。山中に入り込めばも
っと多く有りそうですが、今日は3人の昼食と、少しのお土産が有れば良しと云う事で、登
山道脇で目に入ったものを頂戴して登りました。

頂上台地入口のブナ ナメコ

11:00、駒ヶ岳頂上 1487.4m
ブナ林を抜けるとすぐに頂上です。そこは今までの樹林の登山道を全く感じさせない展望で、
今までの北アルプスに加え、海谷・頚城の山々が見えています。

火打山・焼山、この頂上から尾根が続く鬼ヶ面山・鋸岳・雨飾山・金山、近くの海谷対岸の山
々も迫っていました。

先行登山者も後から来る登山者も、富山県人ばかり、途中ツアーらしい都会風の登山者10数
人に合いましたが、今日は流石に新潟県人は遊びを控えた様子でした。
 

頂上に憩う登山者 頂上から焼山


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