干支と西暦の山に登る「荏原山歩会」だより


「有名な山旅」「花の山旅」 富山県宇奈月町・長野県 白馬岳 2932m


【日 程】1999年7月31日・8月1日
【山 域】北アルプス富山長野県境、後立山
【山 名】白馬岳(しろうまだけ)2932m
【地 図】1/2万5千:白馬岳
【交 通】マイカーで糸魚川からR148、平岩で分岐し蓮華温泉まで。
     定期バスも有る
【水 場】蓮華温泉、白馬大池
【メンバ】富山橋他21人
【天 候】31・1日晴れ
【タイム】今回=登り6:30/昼食0:50/下り4:10
    通常 6:30   4:40
aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa
一昨年・昨年と薬師岳に登頂出来ず、今年もう一度の声えも有ったのですがが、
それよりも目先を変えて見ようと云う事になり、あえて白馬岳の最盛期を選んで
登って見る事になりました。
蓮華温泉からのルートは、少々長いルートになりますが、大雪渓の様に落石の危
険など全く無く、急登の少ない展望と花一杯のルートで、初心者も安心して楽し
む事が出来ます。


7月31日
04:10 荏原公民館前発
蓮華温泉の駐車場が満車になるのではないかと、早めの出発です。H北陸滑川か
ら糸魚川まで高速を使い、R148を越後平岩まで行き、蓮華温泉に向けて分岐
します。
 
06:20 蓮華温泉駐車場(1460m)
80台もの駐車場ですが、もう満車状態です。それでも、なんとか3台の車をス
ペースに止める事が出来て一安心、朝食を済まして準備を整えます。

駐車場には展望案内板が有り、雪倉岳や、その右に連なる長栂山までが紹介して
あり、そこから見える雪倉岳は、たっぷり雪を付けて登山意欲をそそります。

蓮華温泉近くの駐車場


07:00 出発
蓮華温泉裏で、登り始めのビデオ撮影をしていて、ストックを忘れた事に気付き
慌てて取りに戻り、10分余りのロスを挽回するのに一汗をかきました。

出来ればもう少し休憩の間隔を長くしたいのですが、30分も歩くと休憩の声が
かかり、結局30分間隔の目安で休憩しながら登ります。
このルートは白馬大池の寸前まで樹林が多く、木陰も多いのですが、今日は日射
しが強く空気も乾燥していて、喉の乾きも早い様なので、こまめに休憩して水分
の補給をしながら登ります。

振返ると頸城山塊の展望が出来る場所が有りました。一番右が妙高山、火打山・
焼山・雨飾山・鋸岳・駒ヶ岳、姫川を挟んで明星山と黒姫山が、手に取る様に展
望出来ます。

09:00 天狗の庭(2100m)
今までの樹林の雰囲気とガラリと変り、木々が低くなって高山植物の花が多くな
れば天狗の庭です。厳しい風雪に耐えたカラマツが盆栽の様な姿を見せる場所で、
展望も開け雪倉岳が一段と姿良く見える場所です。
イブキジャコウソウ・キバナノコマノツメ・ミヤマムラサキ・ハクサンオミナエ
シなどが咲いています。

天狗の庭から雪倉岳



天狗の庭を過ぎると再び樹林の登山道になり、雪倉岳に代って堂々とそびえて来
るのが小蓮華山です。新潟県一の高峰で、今日はあの頂上を越え、更に2時間以
上歩いて白馬岳頂上まで行きます。

10:20 白馬大池・小屋(2380m)〜11:00
ここが今日の行程の半分、皆さんの様子は如何でしょうか、一部にちょっと遅れ
気味の人、ザックを担いで貰った人がいる様子ですが、特に問題は無い様です。

白馬大池の小屋前は大勢の登山者でにぎわっています。今の時間、登る人と降り
る人が出合う時間帯なのでしょう。我々もここでトイレ休憩と少しの行動食を口
にします。小屋前の水タンクから、昼食用の水の補給も忘れる事は出来ません。

白馬大池


ハクサンコザクラ・チングルマ・アオノツガザクラ・イワイチョウなどが咲く高
原を歩き始めます。尾根に出るとガレ場になり、予定通りコマクサが姿を表しま
す。少し時期が遅かった様ですが、高山の花の女王の片鱗を見せています。

ミヤマキンバイとミヤマダイコンソウなど黄色の花は少ない様で、代って目立つ
花が濃い青紫のチシマギキョウです。

鑓ヶ岳が見え始め、次いで主峰白馬岳が見え、その鞍部に剱岳が穂先を見せるな
ど、花と展望の白馬連峰の核心部が近付いて来ます。

12:50 小蓮華山(2769m)〜14:00
予定より手前で昼食をすればとも考えましたが、少々無理をして予定通り昼食場
所の小蓮華山までたどり付きました。(遅いグループは下のピークで昼食)

小蓮華山より大蓮華山(白馬岳)


みそ汁を作って振舞うのは定番です。今日は山菜・きのこ(春田さん持参)・わ
かめが具になったので豪華です。

この先は上り下りしながらの登山道になり、白馬連山高山植物帯の核心部になり、
次々に見事な花を見せてくれる所ですが、残念ながら今年は最盛期が少々過ぎて
おり、オヤマノエンドウは見る事が出来ず、ウルップソウもほとんどが実になっ
ています。

沢山咲いていたのはコマクサでしたが、道から離れて小さな花を咲かせているの
で、全景がビデオに納らず残念です。
 
14:40 三国境(2751m)
ここまで来れば残り一息です。このルートでは一番の急登になりますが、それも
前方のピークまで、残る緩い坂の先に白馬岳頂上が見えています。

三国境、もう少しで頂上



15:30 白馬岳頂上(2932m)〜16:10
少し遅れた人もいましたが、全員無事登頂、おめでとうございます。
登頂者が大勢いて、順番に記念撮影です。ちょっと寄道をして取って来た雪で、
あり合せのビールを冷して乾杯し、全員登頂の記念撮影をしました。

頂上です、人が一杯


16:30 白馬山荘
21人で10畳一間と聞かされ、覚悟の上とあきらめ、狭いながらも車座になっ
て、楽しい小宴会をしました。
夕食のメニューはハンバーグカレーぽっきりと云う、今時珍しい超質素な食事を
有難く頂き満腹になりました。

日本海側へ沈む夕日


後になって我々には2間が割当てられている事が判り、打って変り、今度はゆっ
たりスペースで布団に入る事が出来たのでした。
 
8月1日
04:00 小屋出発
期待通りの晴れ模様、今日は素晴しい御来光に出合える事でしょう。
頂上に着くと東の空はもう日の出間近の様相でしたが、20〜30分の待ち時間
が有って、御来光は4時47分、妙高山の肩からでした。見事な御来光に歓声よ
りため息が漏れていた様でした。

妙高の肩から御来光


05:00 下山
朝もやたなびく頸城山塊や戸隠山塊を見下ろし、朝日を浴びて軽やかな足取りの
下山です。尾根を通り過ぎて行く風の冷たさも、今は快く感じます。

さあ下山です


06:20小蓮華山→08:20白馬大池→09:30天狗の庭〜9:40

11:00 蓮華温泉

蓮華温泉到着です


予定より少し早い到着で、時間に余裕が出た蓮華温泉。汗を流してさっぱりし、
下山の乾杯の味も格別、ゆっくり休んで昼食にうどんを頂き家路に付いたのでし
た。

後記
危険個所は無いものの、長時間が心配だったのですが、日頃の鍛え方が良いらし
く、ほぼ予定通り行動出来ました。
花は少し時期を過ぎた感じが有りましたが、それでもチシマギキョウとコマクサ
の大群生を始め、多くの花を楽しむ事が出来ました。展望も最高と云って良いで
しょう。北アルプスは勿論、富士山まで展望出来、大いに満足のいく山行でした。

           1999年8月8日  富山橋



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