干支と西暦の山に登る「荏原山歩会」だより


「干支の山旅」 富山県魚津市  虎谷山 687m


【日 程】1998年1月1日
【山 域】剱岳北西稜
【山 名】虎谷山(とらだんやま)687m
【地 図】1/2万5千:越中大浦
【交 通】マイカーで魚津市鉢地区より林道に入って、標高400m
     辺りの沢まで
【水 場】水場無し
【メンバ】富山橋夫婦・大石W・砂田Wの4人
【天 候】曇り
【タイム】今回(積雪無し)=登り2:00/頂上で1:25/下り1:30

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ガイド本には道無き山と紹介されていますが、先日の下見で稜線沿いに、境界見
出しの刈開け跡を見付け、無雪期でも僅かの藪こぎで登る事が出来るだろうと、
見当を付けて有りました。
今日は以前から元旦に干支の山に登りたいと言っていた「荏原山歩会」女性メン
バと連れだって、この山を目指す事にしました。

10:00 富山市の荏原公民館前発
出発が遅いが、標高差300m足らずの登りは、多少の藪が有るものの、登り2
時間、下り1.5時間も考えておけば何とかなるでしょう。
天気予報では朝から雨模様で、雷と強風注意報との事ですが、今のところは曇り
空で、「登っている間だけでも降らなければ良いが」と思いながら、上市町経由
で魚津市に向いました。
滑川で箕輪に向け右折、箕輪近くで早月川を渡り、左の集落が鉢地区になり、そ
こから始る林道に入ります。

10:40 取り付口(400m)
地図の林道は標高350m付近で終っていますが、今も延長工事中で、残り数百
mで反対側からの林道と接続しそうになっています。
300mを越え、稜線が見えたら何処から取付いても良いでしょうが、杉植林に
入れば藪が少ないので、400m付近の杉植林を取り付口としました。

10:50 出発
幹に赤ペンキを付けた杉が何本か有る植林地を登り始めます。植林は40mも登
ると雑木林に変り藪こぎが始ましますが、ユキツバキが少々うるさいだけの疎ら
な雑木林で、左に見える尾根に向うとツバキも少なく、楽に登る事が出来ました。

藪こぎ


11:15 ピーク(477m)
尾根に出てしばらく登ると稜線に出て、反対斜面の杉植林が見えてきます。杉植
林は稜線で境界になっており、綺麗に下刈りされていました。この様子なら、杉
林下部から作業道が有るかも知れませんが、林道からここまでくらいは、藪漕ぎ
だろうが作業道だろうが大した差では無いでしょう。
477mのピークで、これから向う虎谷山の頂上を眺め、しばらく降りた鞍部に、
高圧鉄塔の残骸を見て登り返すと、杉植林も終り雑木林に代わりました。

虎谷山の頂上を眺め


11:30 ピーク(500m)
この先の稜線は、境界見出しになっているらしく、境界の標識が有ったり、はっ
きりした刈り開きが有ったりして、ほとんど登山道を行く感じで登る事が出来ま
した。
所々に登山道マークの様な赤ペンキが塗って有り、判り易い稜線歩きで、迷う様
な事も無く、快適な雑木林の散歩を楽しんで行くだけでした。

11:45 急登(550m)
少し風が強くなったか、木々を吹抜ける風の強さ以上に、風切り音が大きくなり、
台風の様な音を立てる様になっています。天気の方は相変らずどんよりとした曇
り空で、今にも降り出すのではないかと思わせます。

滑りやすい急登を、木に掴まりながら登り、次第に近付いて来る頂上を横目に見
て、603mのピークを目指します。

12:00 ピーク(603m)
急登を登り切った所で振向くと、視界が広がって、早月川から日本海が見え、ど
んよりした空模様ながら、下界の視界は良く見えている様です。
先程からちらほら見えていた積雪も、ここまで来ると一面白くなっており、多少
は元旦登山の雰囲気が盛上がって来ました。

刈開けがはっきりしない鞍部を通り、細くなった尾根をしばらく行き、所々に炭
焼の跡の様な、窪みが幾つも見える場所を通り、虎谷山前峰前の急登に向います。
前峰は650mで、虎谷からの尾根に出会っています。先日の下見では、ここを
藪こぎで登り、2時間30分を要したルートです。

僅かにブナ混じりの雑木林の鞍部に降り、最後の急登を50mばかり登り切ると、
頂上付近の杉が見え始め、今まであまり見る事の無かった竹の密生が現れると頂
上にでした。

12:50 頂上到着(687m)
頂上には三角点が有りますが、周囲は根曲り竹が繁っていて、展望は開いていま
せん。
積雪期なら素晴しい展望との事ですが、今日は曇っているせいも有って、毛勝も
剱岳も見えておらず、僅かに大日岳・鍬崎山がチラリと顔を見せ、近くに大倉山
・白倉山が見えている程度になっています。
頂上の標識が無いので、持って来た頂上標識を設置し、今年も幸多かれと祈りを
込めて記念撮影、少し寒いが梅酒で乾杯、暖かスープとおせち料理で昼食にしま
した。

頂上到着


14:15 下山開始
休憩をしているとさすがに寒く、風も出て来たようなので、降り出す前に下山の
途に付く事にしました。

15:00 ピーク(603m)

15:45 駐車場所到着(400m)


後記
今年も無事干支の山への元旦登山をすることが出来ました。積雪がほとんど無か
ったのが、良かったか悪かったかは判りませんが、少ない所要時間で手軽に行け
たのは積雪が無かったからに違い無いでしょう。
富山県内で元旦登山が可能な干支の山は、もう無いかも知れません。記念すべき
元旦の干支山登山になったのではないでしょうか。
           1998年1月4日 富山橋



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