干支と西暦の山に登る「荏原山歩会」だより


「干支の山旅」  岐阜県神岡町 大鼠山 1585m


【日 程】1996年05月06日
【山 域】神通川右岸域、奥飛騨
【山 名】大鼠山(おおねずやま)1585m
【地 図】1/2万5千:下ノ本
【交 通】マイカーで神岡町岩井谷地区まで
     町営バスが打保地区まで運行されている
【水 場】
【メンバ】三島M・W・春田M・富山橋M・W・砂田W・大石W・金井W・藤木W
     の8人
【天 候】晴れ
【タイム】今回(1/2残雪)=登り3:10/頂上で2:10/下り2:00 
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今年の干支、鼠年にゆかりの大鼠山と、1996年の西暦と標高が同じ寺地山に
登り、「干支の山に登るシリーズ」のスタートにしようと計画した山行で、「荏
原山歩会」の今年最初の定例山行となりました。
1996年の鼠年は干支の最初の年でもあり、たまたま近くに標高1996mの
寺地山も有って、シリーズのスタートには、打って付けの縁起の良い組合わせと
思うが、いかがでしょうか。

05:10 荏原公民館前出発
昨日は平年より寒く、立山等では雪がちらつく様な天気でしたが、今日もまだ平
年気温に戻らず寒い日です。しかし、朝から青空の見える天気で、視界はそんな
に悪くなさそうです。
大規模林道有峰線の山吹峠は冬の通行止めが続いており、山の村トンネル経由で
登山口の岩井谷地区に向いました。山の村トンネル付近で乗鞍岳・御嶽山を見、
山の村キャンプ場に寄り道をして、岩井谷地区に向います。

07:25 岐阜県神岡町岩井谷地区林道口
岩井谷地区に入り舗装道路が終り、道路状態が悪くなったので、「岩井谷林道」
の標識の有る場所で、駐車する事に決めます。
廻りにはほとんど残雪は有りませんが、前方に見える大鼠山には、まだかなりの
残雪が残っている様に見えます。

07:50 林道口出発(1010m)
夏道ははっきりしないが、取付き口は「国有林の大きな標識付近」との、ガイド
本情報で林道口を出発、ガイド本の標識位置辺りまで来ても標識が見当らず、取
り付こうにも雪が少なく、道らしき所も無いので、もう少し先の沢まで行けば、
雪も残っているだろうと、前進する事にしました。

08:30 取付き口(1090m)
期待通り林道は雪に埋り、廻りは残雪の山になって来ました。今まで川のすぐ近
くに沿っていた林道は、細い作業道と分岐した後、川から離れる様になり、しば
らく行くとガイド本に有る「国有林の大きな標識」が見つかりました。どうやら
ガイド本の標識位置の表示ミスのようです。
年輩の方が後から来たので、聞いて見たら東京から来ており、大鼠山は始めてで、
ガイド本を頼りに登ろうとしているとの事で、我々と同行する事になりました。
杉植林の沢方向から下山の足跡が残っており、この跡が大鼠山からの下山の跡だ
ろうとその跡に従うが、所々消えているので順調にはたどれません。

09:15 沢の行き止り(1220m)
杉植林の沢の残雪の下は雪解け水が流れ、あちこちの残雪が薄くなった場所で、
ズボリとはまってしまう事があり、出来るだけ残雪の多い所を選んで進、みます
が、杉植林も小木の場所になると、枝が行く手を阻んだり、残雪が不安定で歩き
にくくなります。やがて、沢の両岸は崖になり、これ以上は沢を進む事は出来な
りました。
仕方なく尾根に登って見る事にし、まず先遣として薮こぎのベテラン春田さんに
様子を見に行って貰う事にしました。

09:40 尾根に出る(1240m)
登ったと思ったらすぐに「尾根に道が有るよ」と大きな声がし、作業道の跡でも
見付けたかと思い、とにかく竹薮を登って見ると、そこにはペンキでしっかりマ
ークをした登山道が有りました。
取付き口からの沢では、まったく見えなかったマークが、この尾根にはわずかの
間隔で、マークしてあり、これから先は尾根歩きでもあり、迷う様な事は無くな
りました。

この尾根には杉植林が終わると、落葉樹林にヒノキやコメツガの天然木があり、
ブナ・シラカバなども多く見られます。登るに従って視界も開け始め、富山と岐
阜の県境の山々が見えています。

尾根に出て登山道のブナ林で


下山の時判ったのです、この尾根道は1150〜1170m付近より始る左尾根
に付けた登山道(境界切り開き)で、沢からの分岐には何のマークも無いので、
道が有る事を知らない者には見付けにくい道でした。

10:30 ブナ大木林(1450m)
頂上もいよいよ近くなった急登の左右は、直径1mも有ろうかという、ブナの大
木が見られる様になって来ました。粗林ですが、これだけの大木の揃ったブナ林
を見た事は、私の記憶にはあまり有りません。去年の秋発生したブナハリタケを
びっしり付けた枯木が有ったりして、奥深い山の雰囲気を漂わせていました。

頂上手前ではブナ大木も


11:00 大鼠山三角点(1585m)
急登も少し緩くなり、少し登った所にピークが有って、視界の良い場所に出まし
た。
残雪が多く三角点は見えませんが、ここが三角点の有る頂上でしょう。
北斜面から吹上げる風は、この時期としては冷たいが、頂上を極めたときの気持
はさわやかで、全員の顔もほころんでいます。「ご苦労さん、干支の山シリーズ
最初の山、大鼠山登頂おめでとう」、握手!!。

三角点頂上で記念撮影


風を避ければ寒さを感じる事も無く、風が通らない日だまりで楽しい食事の時間
となりました。同行された年輩のWさんにも沢山の話を聞かせて貰い、富山の山
は我々よりも良く知っておられる様なベテランと分り、山談義に花が咲きました。
食事の後、200mほど先の最高点までいって来ましたが、ここには小さな新し
い標識で、「干支の山 大鼠山1585m」としてありますが、地図によれば1
590mの最高点のはずです。
眺望ですが、三角点も最高点も樹林帯となっており、ブナ・シラカバばかりでな
く、針葉樹も有るので、360度の視界とはいきません。それでも北ノ俣岳から
黒部五郎岳の白い稜線、その下に寺地山、左の神岡方向に天蓋山が見えています。
最高点に行けば、笠ヶ岳が近くに白く大きい山容を見せ、槍ヶ岳は少し遠いが、
黒く鋭く尖って見えました。

13:10 下山開始
今回は頂上での時間は、瞬く間に過ぎてしまい、下山の時間になってしまいまし
た。
残雪は充分の量ですが急傾斜過ぎるので、楽しいシリセードは出来ませんが、雪
の上は滑る様にして、楽々下山で楽しいものです。

14:00 朝の尾根に出た場所(1240m)

14:35 取付き口(1090m)

15:10 岩井谷林道口(1010m)


「干支の山に登るシリーズ」のスタートは切られました。12年間を要するこの
シリーズ、ある意味では百名山を登るより難しいかも知れませんが、何とか最後
までやり遂げ、楽しい思い出にしたいものです。

ちなみに、干支にゆかりの山は、富山県付近にも多く有り、一例を揚げて見ると
下記の様になる。

大鼠山 (岐阜県神岡町)
牛岳  (富山県山田村) ・赤牛岳(富山県大山町)
虎谷山 (富山県魚津市)
赤兎山 (福井県)
龍王岳 (富山県立山町) ・五竜岳(富山県、長野県)
み ?
駒ヶ岳 (富山県魚津市) ・白馬岳(富山県朝日町、長野県)
ひつじ ?
猿ヶ山 (富山県上平村) ・猿倉山(富山県大沢野町)
鳥ヶ尾山(富山県大山町) ・白鳥山(富山県朝日町、新潟県)
犬ヶ山 (富山県朝日町、新潟県)
猪頭山 (富山県宇奈月町)・猪根山(富山県大山町)


1996年5月8日  シリーズ干支の山’96 〜富山橋



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