干支と西暦の山に登る「荏原山歩会」だより


「有名な山旅」 岐阜・石川県 白山 2702m


【日 程】1996年8月02日・3日・4日
【山 域】白山
【山 名】白山(はくさん)御前峰2702m
【地 図】1/2万5千:白山
【交 通】マイカーで五箇山に入り、県境を抜けて岐阜県白川村の平瀬温泉から、
     大白川ダムへの道に入ってダム湖サイトが登山口。
【水 場】登山口と室堂に水場、途中に水場がない
【メンバ】三島M・W、松村M・W、金森M・W、富山橋M・W、春田M、
西部M、砂田W、大石W、金井W、藤木W、大嶋W、開W、須藤W、
準会員W2人  合計19人
【天 候】晴れ
【タイム】取付き口〜室堂
     今回=登り6:15・頂上と食事4:45・下り4:10
     通常=登り4:40           下り3:00


「荏原山歩会」今年のメイン山行は、「白山花の山旅」と銘打って、岐阜県側の
平瀬ルートを利用し、早朝登山を計画しました。
今年3回目の合同山行は、白山日帰りの状態なので、かなりきついのではないか
とと思われますが、個々にトレーニングをしているので、時間に余裕を持ってゆっ
くり行動すれば、安全に山行出来るものと考え、この早朝登山の実行となりました。

8月2日
23:00 富山市の荏原公民館前出発
良い具合に今日は月夜の晩で、風景が月明りに照らし出される位に明るく、早朝
登山日和になっています。
道はH北陸・H東海北陸・R304・R156を使って、岐阜県境を抜け白川村
に入り、平瀬温泉街で右折して大白川ダム方向への道に入ります。
ダム方向への道は通行止の標識が出ていますが、事前の問い合せで通行可と聞い
ており、そのまま通過、夜間と休日は工事をしていないので、通行が出来るよう
です。

8月3日
01:40 白水湖サイトの登山口到着
駐車場は広く、かなりの台数の車が駐車しており、今日はキャンプや登山に多く
の人達が来ている様です。

02:20 登山口出発(1260m)
取付き口は駐車場のすぐ上に有りますが、月明りとライトでは少々見付けにくく、
休憩所の建物の脇から始る登山道は、いきなりジグザグの急登で始っています。
道は広く良く整備されていますが、階段が多くて疲れる道です。
ブナかミズナラと思われる巨木が登山道脇に現れ、空が見えない位に葉を茂らせ
ており、月明りも届かない登山道をひたすら登ります。
最初の急登はしばらくで終り、緩い尾根道を右下の沢音を聞きながら進む様にな
り、時々現れる階段もそれ程急登ではありません。

03:10 月の見える尾根で休憩(1500m)
空が開いた場所が有り、月がとっても綺麗に見えていたので、ここで第1回の休
憩にしました。月が出ているので星はそれほどでもありませんが、それでも市街
地にいる時とは比べものにならないほど、星の数が多く見えています。
 
04:10 対岸の山の上が赤く色付き始める(1730m)
ダケカンバの大木が現れ始め、木々の背丈が低くなったか少し疎らになったのか、
対岸の山々の稜線や雲海の水平線が見え、その上空が色付いて見える様になって
来ました。

今日は御来光が見えるでしょう


どうやら今日は御来光の瞬間を見せて貰えるのかも知れません。ただ、
御来光の方向に三方崩山の山塊が有るので、日の出時刻の5時頃までに出来るだ
け高度を稼いでおく事にし、大倉山の頂上に向けて急登になったジグザグの道を
進んで行きます。
辺りはクマザサの原にダケカンバの大木の疎林となっており、白い幹が朝焼けの
赤い光を受けて、際だって見えています。

05:05 御来光(1850m)
ジグザグ道が御来光の方向と反対を向くと、振向いた時には御来光が終っている
のではないかと思われる位に明るくなり、我慢が出来ず4時50分には御来光拝
観の休憩となりました。

御来光


御来光は北アルプスの槍ヶ岳のと薬師岳の中間辺り、水晶岳・鷲羽岳・黒部五郎
岳辺り上空に出ました。
御来光の前に上空を充分に赤く染め、御来光は終ったかと、見間違える程にじら
した後、宝石の様な光を放ちながらの見事な御来光で、思わず拝んでしまったほ
どでした。
御来光も終り、次第に高山らしくなった登山道、左が切れ落ち多少の危険な場所
も出て来ますが、高山植物も見え始め花の山らしくなって来ました。
振向けば、御嶽・乗鞍・穂高・槍・水晶・鷲羽・黒部五郎・薬師・立山・剱が雲
の上の頭を出し、大きく見えていた三方崩山も小山の様に見える様になって来て
いました。

06:00 大倉山・避難小屋(2039m)
大倉山の頂上を過ぎ50mばかり下った所に小屋が有り、そこが大倉山避難小屋
の新しいログハウスで、トイレは有りませんが5×7m程度の広さでしょうか、
中は土間と板の間になっており、快適な避難小屋です。
小屋の近くに切開いた場所が有り、そこからは大きな雪渓を抱いた白山頂上の御
前峰が見えています。

残念ですがここで一人を残して行く事になりました。荷物を持ってあげるなどを
してみましたが、下山も残っているので本人の申出も有り、避難小屋に待機して
貰う事にしたのでした。

避難小屋から先の登山道は、一旦鞍部まで下がった後急登が始り、左に切れ落ち
た場所など、このルートで一番危険個所を通る様になります。
辺りはいよいよ花畑になり、多くの種類の花々が見え始めています。群生で最初
に目立ったのはピンクの細かい花のシモツケソウ、ハクサンフウロはあちこちで
紫がかったピンクの花を咲かせ、黄色のミヤマキンポウゲ、紫のマツムシソウも
群生している所が有るなど、花には退屈する事が有りません。

雪渓も登ります


室堂平に近づく頃になると多くの下山者に出会い、「もうすぐ室堂ですよ」と声
をかけて貰い、少々辛くなった体に元気を付けて登ります。
登山道はやっと緩やかになり、室堂平の入口に入ります。背丈の低いハイマツと
ナナカマドで始り、やがて花畑の草原になります。ハクサンコザクラが目立ち、
クロユリが多く見られます。
赤い屋根の小屋も近くに見える様になり、水音のする雪渓に出会い、冷たい雪解
け水で思いきり喉を潤しました。

08:35 室堂(2450m)
予定より30分遅れの室堂到着、ここで朝食を済まし一息入れます。
白山室堂は建物が少なく、登山道も比較的狭いので、自然が保たれている様に見
えます。有名な山ですが観光地化を免れて、霊山の趣を保っている様です。この
先も出来るだけこの雰囲気を保ち、観光地化などにならない様願いたいものです。

ここでもう一人を残して行く事になりました。下山が残っているので、無理をせ
ず下山予定の12時まで待機してもらう事にします。

09:30 頂上に向け出発
頂上はすぐそこに見えていますが、登り始めるとなかなかきつい登りです。しか
し、この道は頂上までイワギキョウで飾られており、派手さは有りませんがこの
澄み切った紫色は、誠に霊山の参道にふさわしい花と言えましょう。

イワギキョウ


10:40 頂上(2702m)
19人中17人の頂上登頂、とりあえず「おめでとう」。
立派な白山神社に詣で、今日の登山のお礼と、これからの無事を願い100円も
の大金の賽銭を奮発しました。
頂上での展望ですが、早くも沸き上がって来たガスが北アルプス方向を遮り、見
えるのは眼下の室堂平から別山方向や日本海方向となっています。
期待していた富山県境の山々が見えず残念、北アルプスは登りの途中で見てきた
ので、展望の方の欲は言わない事にしましょう。

室堂平


10:50 周遊開始
記念撮影も終り、花畑の周遊しながら下山する事にします。池を巡ってお花畑に
出ると、今まで見かけなかったチングルマの群生も現れ、アオノツガザクラ・花
の付いていないコバイケソウも有って、花の定番が揃った様です。

周遊の途中で自然解説員の方に出合い、少し話しを聞いた所では、今年はコバイ
ケソウは花を付けない年廻りで、クロユリも例年より少ないとの事。逆にイワギ
キョウが例年より非常に多くみられるとの事でした。
気になる話で、コマクサは白山に無いはずだが、だれかが種を持込み、最近では
コマクサが見られる様になったと言う、「余計な世話」とはこの事と思われる話
でした。
白山には固有の花は無く、花の種類も白馬岳より少ないが、クロユリなど花の株
数は、何処にも負けないとの事でした。「どの山でも良く見られる花で、白山
に無い花は」との質問には、シラネアオイとの答が有りました。

クロユリ ヨツバヒヨドリ?

 
12:30 室堂(2450m)
周遊は近道をするつもりでしたが、結局は花に導かれ、外回り花畑コースをゆっ
くり回って「白山花の山旅」を楽しませてもらいました。おかげで下山予定が遅
くなりましたが、花の魅力に負けたと云うことで、許しを乞う事にします。
 
13:00 下山
見事な花畑はどれだけ見ていても飽きませんが、下山開始予定より1時間遅れに
なっているし、避難小屋の一人も心配です。

14:30 大倉避難小屋(2039m)
避難小屋に残っていた一人は勿論元気で、我々の下山を待っていて、下山にには
まったく不安の無い状態でした。
遅くなったがここで手早く昼食を済まし、下山予定時刻の16:30〜17:0
0に間に合う様、下山準備をしました。

14:50 下山
登りの時、廻りが見えたのは標高1800m位でしたか、この大倉山付近と同じ
様な、ダケカンバの疎林になっていました。登山口から1800mまでの様子を
知る事が出来ませんでしたが、途中に見えた巨木、あれは何の木だったのでしょ
うか。

白水湖


次第に樹林の高さが高くなり、1600m位でしょうか、見えていた三方崩山も
見えなくなると、ブナが混じり始め、下るに従い径が1mも有ろうかと思われる
ブナの巨木の林に入り、辺りは薄暗くなって来ます。

登りの時見えた巨木はミズナラでした。径は1・2mを越えているでしょう。ブ
ナより更に太い巨木でした。私の行く山で杉の巨木は多く見ますが、この様なミ
ズナラやブナの巨木は余り記憶が有りません。
白山麓はブナの原生林が素晴しいと聞きますが、評判通りの巨木林に感服しまし
た。

17:10 登山口到着
下山時に足が痛くなった人もあり、それに合わせての下山でしたが、最終組の下
山時刻でも、ほぼ予定通りの下山が出来ました。
早い人は登山口の露天風呂に入り、ゆっくり出来た様で、湯上がりで一杯状態の
者も何人かいた様で、最終組の到着に大きな拍手と歓声が出ていました。
19人無事登山口に下山、宿まで待ちきれず、ここで冷してあったビールで、下
山の乾杯でした。

18:00 平瀬温泉くろゆり荘到着
狭くて熱い内湯と、案外広い露天風呂で疲れた体を癒し、安くて美味しい料理で、
楽しい宴会は大いに盛上がりました。
夜のふけるのも忘れて盛上がり続けるつもりでしたが、ちょこっと布団の上で横
になって、気が付いたら朝になっていて、それまででした。

8月4日
08:30 家路に向って
途中、世界遺産の白川村合掌集落に寄り、上平村・平村・利賀村・八尾町と通り、
社会見学もこなして家路に着きました。

12:10 荏原公民館前到着


後記
「白山 花の山旅」さすがに多い花の種類と株数、花を付けている物だけでも4
0種類以上を数える事が出来、名実ともに「花の名山」として味わう事が出来ま
した。
花ばかりではありません、登り途中の御来光、御嶽から北アルプスの山々の展望、
そして、下山時の見事なブナ林も、この山の品格を上げている一因と思ました。

早朝登山で頂上登頂と花畑周遊をし、その日の内に登山口に下山して、登山口で
一泊の山行でしたが、全体に時間に余裕を持ち、特に下山に余裕を多く取る事に
より、出来るだけ無理を少なくしようとしましたが、残念ながら全員の頂上登頂
には無理が有りました。
しかし、早めの登頂断念と山小屋で避難してもらった事で、比較的安心して後の
行程を進める事が出来、全員無事下山出来て一安心でした。
温泉一泊の盛上がった宴会で山行を締めくくる事が出来、こんなに楽しい山行な
ら次回も是非参加したいと思わせたものでした。

1996年08月06日   富山橋

inserted by FC2 system